伊藤美誠は何故バックに表ソフトを使い続けるのか

ヤフーニュースで下の記事が高評価を受けていて、自分も興味深く読んだ。

 

伊藤美誠張本智和は、なぜ圧倒的に強いのか? 卓球ライターはこう見る(VICTORY) - Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180130-00010002-victory-spo

 

伊藤条太さんという卓球ライターさんが書いた記事で、分析が鋭い上に分かりやすい非常に完成度の高い記事だと思う。

 

張本君の強さの分析も素晴らしいが、バック表の自分としては、伊藤美誠の分析の方に特に注目した。

 

記事では伊藤美誠の次のような点に着目している。

 

伊藤美誠はバックハンドに表ソフトラバー、フォアハンドに裏ソフトラバーを付けていて、バックでは強い回転のドライブを放ち、フォアでは「みまパンチ」と呼ばれるミート系打法を得意としている。

 

卓球経験者なら言わずもがなだが、裏ソフトは回転がよくかかるラバーだが、粒粒のラバーである表ソフトは回転がそれほどかからない。

 

その点をもって、伊藤条太さんは伊藤美誠選手のスタイルを「逆位相」となっていると指摘。これが彼女のオリジナリティであり、強さの秘訣になっているとの趣旨のことを述べている。

 

確かにその通りだと自分も思う。では逆に、伊藤美誠がバックに裏ソフトを、フォアに表ソフトを使ったらどうなるだろうかと想像してみた。

 

バックドライブはより強い回転となってボールの威力が増すし、フォアは相手の回転の影響を受けづらくなって強回転ドライブに対する「みまパンチ」もより安定するのではないか?

 

素人的にはそう考えてしまうが、伊藤美誠があえて「逆位相」で戦っているのはもっと他にも理由がありそうだ。

 

特にバック表ソフトはレシーブの時に相手の回転の影響をあまり受けないで返せるという長所がある上、相手の横回転サーブなどは回転を残したまま返す技術が使える。回転を自分からかけるだけでなく、相手の回転を利用したプレーができるため、相手を翻弄することができる。このため繊細なボールタッチができる選手であればバック表は大きな武器となる。

 

おそらく伊藤美誠選手は、表ソフトのそうしたところに魅力を感じているのではないか?何もドライブだけなら、裏ソフトで構わないし、そっちの方が強力なドライブを放てるのだ。表ソフトは、裏ソフトほどでないにせよドライブも打てて、相手の回転を利用した幻惑するようなボールも出せる。弾く打法もやりやすい。

 

記事だと、表ソフトのレシーブのしやすさなどの特徴に触れつつも、結果的にはバックドライブの強さを強調するような内容になっているが、自分としては、表ソフトのあらゆる利点を駆使しているのが伊藤美誠なのではないか、と思いました。実際、バックでの得点はドライブだけでなく弾く打法でも多かった。

 

自分もそういうプレーを目指そうと思います。